実践マーケティング思考

第2話 お客様の心が離れた瞬間を見逃すな

「先月よりシェアが2%落ちています」
35%あったシェアが33%になった。この数字を見たとき、店長は何を考えるでしょうか。
「今月は競合店が強かったから」「販促が弱かったかな」「もう少し頑張らないと」。
私は、まずそこを考える必要はないと思っています。
シェアが落ちた。それは、お客様から「NO」が出たということです。
大切なのは、自分たちがどれだけ頑張ったかではありません。まず、その事実を受け入れる。そして、行動を変えることです。

「2%」は、どこへ消えたのか

シェアが35%から33%に落ちた。私は、まずその2%を探します。
パチンコなのか、スロットなのか。スロットなら、話題の機種なのか、ジャグラーのような定番機種なのか。パチンコなら、どの機種なのか。
さらに曜日で見る。平日なのか、土日祝日なのか。日別に並べて、シェアが変化し始めた営業日を探す。そして時間帯。朝なのか、昼のピークタイムなのか、それとも夜なのか。
こうして細かく見ていくと、「平日の夜、あるカテゴリーのお客様が減っている」というように、シェアが落ちた場所が見えてきます。すると、次に見るべきものも決まります。

シェアは占有率です。自店のシェアが落ちたのであれば、どこかの店のシェアが上がっている。
つまり、自店から消えた2%は、どこかにいる。ここが重要です。

答えを自店だけで出さない

たとえば、平日の夜に自店のシェアが落ち、競合A店のシェアが上がっていたとします。ここまで分かれば、競合店へ行きます。
ただし、何となく見に行くのではありません。「なぜ平日の夜、このカテゴリーのお客様がA店を選ぶようになったのか?」という仮説を持って見に行く。
何となく競合店へ行けば、「今日は出ているな」「雰囲気がいいな」くらいで終わってしまいます。でも、データを細分化してから行けば、見る場所が変わるのです。

私自身、店長時代にシェアを奪われた理由がどうしても分からず、競合店で40分ほど立ったまま観察したことがあります。
答えが分からないから、見る。お客様を見る。店を見る。そして考える。
そこまでやっていると、不思議と自店のことばかり考えていた頭が切り替わってきます。「自分たちは何をしたか」ではなく、「お客様はなぜこちらを選ばなかったのか」。主語が「自分」から「お客様」に変わるのです。
数字は結果を教えてくれます。現場は、その理由を教えてくれます。

小さな傷のうちに止血する

パチンコ店が閉店するとき、経営の視点から見れば、売上や利益の減少、経営環境の悪化など、さまざまな理由があります。
でも、私は商圏とお客様の視点から、別の見方をしています。店が閉まるずっと前から、何かが始まっている。一人、また一人と、お客様の心が離れているのです。
最初は、ほんの小さな変化かもしれません。シェアが1%落ちた。2%落ちた。「まあ、このくらいなら」。そうやって見過ごしているうちに傷口が広がっていきます。

だから私は、小さな傷のうちに止血することが大切だと考えています。
シェアの変化を月に一度見るのではなく、最低でも週単位で確認する。どこで落ちたのか。いつから落ちたのか。誰に取られたのか。そして、自分の足で確かめる。

実際、シェア低下が続いたある店舗では、店長が競合店を繰り返し自分の目で確認し続けました。すぐには答えが出なかった。それでも見続けた。やがてシェアを回復するための手掛かりをつかみ、営業は好転していきました。
重要なのは、根性ではありません。お客様の心が動いた理由が分かるまで、答えを探すことです。

店が閉まる前に、お客様の心が離れている

業績が悪くなると、「これだけ頑張っているのに」「これだけ投資したのに」と言いたくなることがあります。私も部長として店長を指導していたとき、その難しさを感じていました。人間ですから、自分の努力を否定されたくはありません。
でも、シェアという数字の前では、自分の感情はいったん横に置かなければならない。

店が閉まるのは、ある日突然、経営が悪くなるからではない。
その前に、商圏のお客様の心が少しずつ離れている。

私はそう考えています。
だから、シェアが少し落ちたときこそ大事なのです。それは単なる「2%減」ではない。お客様から届いた、小さな「NO」かもしれない。
その小さなNOを見逃さず、すぐに行動を変える。競合店へ行く。お客様を見る。仮説を立てる。データで確かめる。そして、また行動を変える。
シェアが「NO」なら、行動を変える。傷口が小さいうちなら、まだ止血できるのです。

まずは話を聞いてみる

売れるは偶然、選ばれるは設計。

自店が選ばれる理由を、一緒に考えませんか。

まだ課題が整理できていなくても大丈夫です。
店長育成、競合店対策、会議の進め方、営業計画など、今感じている違和感や困りごとを、そのままお聞かせください。

まずは現在の状況を一緒に整理し、フリコユラスがお役に立てるのか、どのような支援が合うのかを一緒に考えます。

セミナーで参加者に語りかける講師
対話から、次の一手を。

無理にサービスをおすすめすることはありません。
相談=契約ではありません。まずは現状整理から。

まずは30分程度、現在の営業課題を一緒に整理します。
研修が合うのか、競合店対策が必要なのか、今の状況に合った進め方を考えます。