実践マーケティング思考

第3話 結果を追う店長、未来をつくる店長

店長会議で、こんな会話をすることがあります。
「先月のシェアはどうだった?」
「32%でした。前月より1%下がりました」
数字としては間違っていません。でも、私はここでもう一つ聞きたくなります。
「では、来月のシェアは何%になる?」
この質問に答えられるかどうか。私はここに、数字を「結果として見る店長」と、「未来をつくるために使う店長」の大きな違いがあると思っています。

未来の数字を、先に置く

たとえば、ある商圏に280人のお客様がいるとします。現在の自店シェアは33%。およそ92人です。
そして店長が、「来月は35%まで上げる」と決めたとします。280人の35%は98人。つまり、必要なのはあと6人です。
ここまで数字にすると、景色が変わります。「来月は頑張ってシェアを上げよう」ではありません。「あと6人のお客様に、自店を選んでもらう」という仕事になるのです。

ところが翌週、シェアを確認すると32%に下がっていた。
結果だけを見る店長なら、「1%下がってしまった」と考えるでしょう。
でも、35%という未来を先に置いている店長は違います。「35%にするには6人増やさなければいけないのに、逆に1人減っている。このままでは届かない」と考える。
同じ数字を見ているのに、見えているものがまったく違うのです。

結果を見る店長は、数字を眺める。成果を出す店長は、数字を先に置く

私は、過去の数字を見ることを否定しているわけではありません。過去は大切です。
ただし、過去の数字を見る目的は、過去を説明するためではない。未来の精度を上げるためです。
9月は商圏人口がどうなるのか。10月はどうなるのか。競合店はどう動くのか。自店は何人のお客様に選ばれたいのか。シェアを何%にするのか。

未来の数字を置くと、現在の数字の意味が変わります。
今日のシェアが33%だった。それが良いのか悪いのかは、33%という数字だけでは分かりません。
来月35%にする計画なら、33%は「途中経過」です。そして32%になったなら、計画と現実のズレが発生したということです。だから、行動を修正する。
数字は成績表ではありません。私は、未来へ向かうための現在地だと思っています。

未来予測を「勘」にしない

ここで一つ、問題があります。
「来月は35%になると思います」と言っても、根拠がなければ単なる願望です。未来を考えることと、未来を予測できることは違います。
未来予測の精度が低ければ、「たぶんこれくらい」「去年もそうだったから」という勘の世界になってしまう。
では、未来を読む力はどうやって身につくのでしょうか。私は一つしかないと思っています。未来を予測する回数と、質を増やすことです。

予測する。実際の結果が出る。ズレる。なぜズレたのかを考える。そして、もう一度予測する。これを繰り返す。
最初から未来を正確に読める人など、ほとんどいません。だから、外れること自体は問題ではない。問題なのは、予測しないことです。
予測しなければ、答え合わせができません。答え合わせがなければ、自分の読みが正しかったのか、何を見落としたのかも分からない。つまり、未来を読む力が育たないのです。

1か月先が見えると、視点が変わる

私は、この未来予測の力は、店長としての成長にも直結すると考えています。
まず1か月先を読む。その精度が上がってくると、2か月先、3か月先を考えられるようになる。3か月先をある程度読めるようになると、半年先が見えてくる。半年先を考えられるようになると、次は年度で物事を見るようになる。
ここで変わっているのは、予測期間だけではありません。その人の視点そのものが育っているのです。

店舗責任者なら、自店の来月を見る。エリアを任されれば、複数店舗の数か月先を見る。部長になれば、半年先を考える。経営者や役員になれば、さらにその先を見ながら、今の意思決定をする。
役職が上がったから、突然視点が高くなるわけではありません。遠くを見る訓練をしてきた人だから、より大きな責任を担える。私はそう思っています。

営業力は、一つの才能ではありません。さまざまなスキルの集合体です。その中でも、未来を読む力は非常に重要なスキルの一つです。
そして、この力は生まれ持った才能ではない。予測して、外して、検証して、また予測する。その積み重ねで磨かれていくものです。

未来を読む力は、才能ではない。
未来を予測した「回数」と、その答え合わせの「質」がつくる。

結果が出てから数字を見る人になるのか。結果が出る前に数字を置き、未来に向かって行動する人になるのか。
店長としての視点の差は、そこから始まるのだと思います。

まずは話を聞いてみる

売れるは偶然、選ばれるは設計。

自店が選ばれる理由を、一緒に考えませんか。

まだ課題が整理できていなくても大丈夫です。
店長育成、競合店対策、会議の進め方、営業計画など、今感じている違和感や困りごとを、そのままお聞かせください。

まずは現在の状況を一緒に整理し、フリコユラスがお役に立てるのか、どのような支援が合うのかを一緒に考えます。

セミナーで参加者に語りかける講師
対話から、次の一手を。

無理にサービスをおすすめすることはありません。
相談=契約ではありません。まずは現状整理から。

まずは30分程度、現在の営業課題を一緒に整理します。
研修が合うのか、競合店対策が必要なのか、今の状況に合った進め方を考えます。