第10話 生産性の高い会議とは
営業会議が、会社から店長に数字を確認するだけの場になっていないでしょうか。
粗利は達成したのか。
売上はどうだったのか。
予算との差はなぜ生まれたのか。
もちろん、企業として数字を把握することは必要です。
ただ、それだけを求める会議になってしまうと、店長の持っている力を十分に引き出せないと考えます。
店長だからこそ見えているものがある
店長には、会社から求められる数字を達成するという役割があります。
一方で、もう一つ大切な役割があります。
それは、商圏の中でお客様から支持される店をつくることです。
自店には、どんなお客様が来ているのか。
最近、お客様の動きはどう変化しているのか。
競合店は何をしているのか。
日々、店舗に立ち、お客様や競合の変化を最も近くで見ているのは、ほかでもない店長です。
だからこそ、「この商圏でお客様を増やすには、こうした方がいい」という戦略や戦術を、本部だけでは見えない精度で考えられるのも店長なのです。
会社が求める数字と、商圏のお客様から支持されるために必要なこと。この二つをすり合わせる場。それが営業会議です。
このすり合わせができている会議は、生産性が高い。
逆に、会社が求める数字への達成状況だけを確認し、未達理由の説明で終わる会議は、生産性が高いとは言えません。
会議で営業力を高める
私は、営業力とは、目標を達成するための力だと考えています。
そして、そのためには未来を予測し、仮説を立て、戦略や戦術に落とし込む力が必要です。
大切なのは、その力を会議の中で高める仕組みになっているかです。
店長が考え、発表し、会社側がそれを聞き、議論し、より良い形にしていく。
こうした会議を続けることで、未来を予測する精度も、戦略を立てる力も高まっていきます。
そして最終的には、お店からお客様へのアウトプットの質と量が変わる。
私は、そこまでつながって初めて、営業会議の生産性が高まったと言えると考えています。
コンサルタントさながらの店長が現れる
企業に訪問して営業力を高める研修をさせていただく際は、最終回に「これから自分のお店をどうつくっていくのか」をプレゼンテーションしてもらいます。
- 自店や商圏を分析する。
- 未来を予測する。
- 目標を決める。
- 具体的な戦略と戦術をつくる。
- そして、チームをどのように巻き込みながら実行するのか。
この最終回で驚かされることがあります。
商圏を非常に緻密に分析している。
未来に対してワクワクするようなアイデアが次々と出てくる。
具体的な戦略だけでなく、チーム全体の士気まで高まっている。
それを一つのストーリーとして組み立て、まるでコンサルタントのように、自店の未来をプレゼンテーションする店長が現れるのです。
それを聞いていた幹部や役員の方が、驚かれることも少なくありません。
その店長に能力がなかったわけではないのです。
もともと力を持っていた。
ただ、その力を発揮する機会がなかった。
会社から求められた数字を報告し、未達理由を説明するだけでは、見えてこなかった。
未来を考え、自分の言葉で提案する機会をつくったことで、店長の営業力が初めて表に出てきたのだと思います。
店長から良いアイデアが出ない。
店長が自分で考えない。
主体性がない。
そう感じることがあるかもしれません。
しかし、本当に能力がないのでしょうか。
もしかすると、その能力を発揮させる会議になっていないだけなのかもしれません。
会議の質が、営業力を変える
会社が求める数字と、商圏のお客様が求めるもの。
その二つをすり合わせる。
そして、店長から未来に向けた生産的な提案を引き出す。
その結果、未来予測の精度が上がり、戦略や戦術の質も上がる。お客様へのアウトプットの質と量が変わり、店長が本来持っていた力まで発揮されていく。
私は、そこまでつながる会議こそ、生産性の高い会議だと考えています。



